天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
安土城
織田の軍勢に囲まれて、何もない…砂だけの風景の中を、しばらく歩いていると、前方にいきなり、城が現れた。

一面、砂漠だった場所が…艶やかで、煌びやかな城下町に変わる。

それは、最近までいた過去の安土城…そのものだった。

違うところといえば、城下町にいる人達だった。

中世の騎士。

明らかに、魔術師と思われる一団。

日本や、イタリアの軍服を着た軍人は、銃剣を持っていた。

海兵。

バイキング…。


「これらの兵士は、我が軍勢と戦い…投降した者達です」

安土城の上空を、B29の編隊が飛んでいく。

その横には、何十匹ものドラゴンが群れをなし、

軍用ヘリコプターが、天守閣を守るように旋回していた。

地響きが、安土城を揺らした。

「あれは…」

ロバートが、指差した方…。

「ゴーレム…」

「の群…」

安土城と、同じくらいの大きさの巨大なゴーレムが、数十体…ドラゴンの群と、同じ方向を目指して、歩いていく。

その足元を、年代も国籍も、バラバラな戦車部隊が、進軍していく。

それらに、掲げられた旗印は…。

「豊臣秀吉…?」

僕は絶句した。

千成瓢箪の旗を見るなんて、信じられなかった。

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