天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「お初にお目にかかる…人間界の我よ」

蘭丸のそばに立つ…1人の女。

それは、紛れもなく、

天空の女神アルテミアであった。

しかし、感じる魔力は、アルテミアを遥かに凌駕していた。

「久しいな…ラン」

蘭丸を見下ろす…その目。

忘れるはずがなかった。

かつて、蘭丸に途轍もない恐怖を与えた存在。

「ライ!」

動けない体を抑えながら、蘭丸はアルテミアを睨んだ。

アルテミアは、口を動かしていないし、ずっと目を瞑っている。

まるで、魂のない人形のようだ。

「お主が、魔王か」

信長は、手を再生させると、意志を込めて、強固な日本刀を作り出した。

ライの声が、せせら笑った。

「人の身でありながら、マリーやネーナを倒したことは、誉めてやろう。しかし…」

アルテミアは一瞬にして、間合いを詰めると、手刀を信長の胸に突き刺した。

「所詮、人よ」

手刀を抜くと、信長の体が、崩れ出す。

「親方様!」

蘭丸が叫んだ。

「まだまだ…死なん」

体に意志を込めようとしたが、手刀でできた穴から、電気がスパークして、

砂の再生を邪魔する。

「信長様!」



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