天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「我ら…新たな安定者…いや、革新者ともいうべきかな」

クラークの言葉に、五人はブラックカードを取り出した。

「…お前以外の者は、どうなったのだ!クラーク!」

老人の言葉に、クラークは肩をすくめ、

「死にましたよ。あんなやつらは、人間の上に立つ資格はない」

クラークも、ブラックカードを指に挟んだ。



「ククク…」

クラーク達に囲まれた老人は、笑いだした。

「ははははは!」

やがて、大笑いをすると、闇が圧縮し、口が膨張すると…巨大な口が、胸から股にかけて開いている全裸の女性が現れた。

「なめんじゃないわ!いくらブラックカードを持って、無限の魔力を使えたとしても、あたしを倒すことはできない!次元が違う」


「何だと!ばばあ!」

神流が、朿だらけの鞭を召喚し、正志と松永は日本刀を召喚し、抜いた。

そして、一斉に攻撃したが、日本刀は体を擦り抜け、鞭はお腹の口の中に、吸い込まれた。

「きゃ!」

鞭を握っていた神流まで、吸い込まれそうになったので、慌てて西園寺が、手の平から、魔力の槍を放った。

槍は鞭を切ったが、ほとんどの槍は、口の中に消えていった。

「何?」

西園寺が目を見開き…いきなり、鞭が切れて、尻餅をついた神流がキレて、もっと巨大な武器を召喚しょうとした時、

クラークが一歩前に出て、神流を制した。

「無駄だ」

クラークは神流を見ず、ただ正面に立つアマテラスを見据えた。

「クラークよ。お前ならわかるはずだ。わたしに勝てないことを」

アマテラスは不敵に、微笑んだ。

「そう…勝てません」

クラークは、仰々しく頭を下げると、アマテラスに跪こくと見せ掛けて、大爆笑した。

「そう勝てません…アハハハ!今まではね」

わざとらしい自分の演技に、クラークは途中でこらえきれず笑ってしまった。

「貴様!わたしを愚弄する気か!」

アマテラスは怒りに、クラークに襲い掛かってきた。

クラークは、ひらりとそれをかわすと、アマテラスより少し距離を取った。

「あんたの頭の傷!ライトニングソードに、つけられたものだろ?」

アマテラスの頭の天辺から、顎まで、頭を真っ二つにされた傷痕が残っていた。


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