天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
障壁の前に立ち、一列に並んだ何万人もの結界魔法士。

手をかざし、魔力を注ぎながら、一歩後ろに下がると、

入れ替わるように、何万人の結界魔法士が、前にでる。

つねに、三交代はできるほどの要員は、確保してされていた。

しかし、今回は魔力の消費量が半端ではない。



「ポイントを補充しろ」

「駄目です!ポイントよりも、体力がもちません」

魔法結界士の後ろで、待機する魔法遊撃隊。

結界士達の疲れを感じ、

最終防衛ラインの司令官は、焦っていた。

「もし…障壁を突破されたら…」




「司令。私達に行かせて下さい」

障壁から、五百メートルほど離れた司令部。

簡易のプレハブで作られているのは、いつでもそこを、捨てられるようにしている為。

後は、結界魔法士達の寝床くらいしかない。

司令官は、建物から出て、何とか補強されていく障壁を見守っていた。

その前に、いきなり瞬間移動の魔法で、30人の鎧姿の戦士が現れた。

「君達は…親衛隊の…」

司令官の言葉に、30人は跪く。

「司令。このままでは、障壁はもちません。せめて、ドラゴンぐらいは駆逐しないと…」

一際目立つ…金の鎧を身に纏った男が、跪きながら顔を上げた。

< 55 / 1,566 >

この作品をシェア

pagetop