天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
口が裂け、突き出し…髪の毛は逆立ち、皮膚は硬化する。

その姿は、人間ではなかった。


「モード・チェンジだと」

絶句する僕の目の前に、一瞬にして移動すると、鋭く伸びた爪を頭上から、突き刺そうとする。

「な!」

ライトニングソードを振り上げ、とっさに爪を受けとめたが…

物凄い力で、足元が地面にめり込んだ。

しかし、攻撃は片手だけではなかった。

残った左手で、首筋を狙ってくる。

それに気付き、僕は後方にジャンプして、避けたが……

着地した瞬間、刺された脇腹から血が吹き出し、痛みから顔をしかめた。


その隙を、クラークは見逃さなかった。

クラークの両手から、光線が放たれた。

僕はライトニングソードから、槍に変えると、回転させ、光線を受けとめた。

何度も何度も放たれる光線を、必死に防ぐ僕の脇腹を、ティフィンが飛んできて、必死に治そうとしてくれていた。

「ティフィン!離れろ!」

「でも、傷が!」



「邪魔だ!」

僕の隣に、テレポートしてきたクラークは、ティフィンを蹴り上げた。

「キャッ!」

悲鳴を上げて、吹っ飛んだティフィンは、少し離れた地面に落ち、そのまま気を失った。

「ティフィンを!よくも!」

僕は、拳をクラークに顔に叩き込んだ。

しかし、あまりの固さに、拳を傷めてしまった。

「素手で、私に勝てると思うな!」

クラークの爪が、横凪ぎに走り、僕の胸元を切り裂いた。

「あまりにも、不用意!」

クラークは、次第に傷ついていく僕を横目で、ちらりと見た。

「これでよく…今まで戦えてこれたな」


「くそ!」

僕は、傷の深さを確認し、ティフィンの方を気にしていた。

「この状況でありながら、仲間を気にするか」

今度は、ゆっくりと僕に近づいてくる。

そんなクラークに左右から、回転するチェンジ・ザ・ハートが、襲う。


分かっていたのか…クラークは、さっと両手の爪を立て、チェンジ・ザ・ハートを見ることなく、弾き返した。

「邪魔しないで頂きたい」

弾かれたチェンジ・ザ・ハートは、僕に飛んできて、ライトニングソードになった。

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