天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
ミミズの体が崩れた後、空洞を見ると、穴の深さは十メートルくらいあった。



「ここなら…大丈夫だろ」

ティフィンを降ろすと、僕は次元刀を、地面に突き刺さした。

そして、ライトニングソードに突き刺ささっている心臓を、次元刀の上にかざすと、

心臓を握り締めた。


「く…」

少し躊躇ってしまったけど、やらない訳にはいかない。

「すいません…」

心臓を握り潰すと、そこからしたたる血を、次元刀に流した。

鏡のような刀身に、流れる赤い血が映る。


それと、同時に…刀身にヒビが入り、

刀は砕け散った。

刀の欠片は、光のシャワーとなり、空洞内を照らし…その光の中から、学生服姿の……

最後に見た姿のままの

明菜が現れた。

静かに、地面に横たわる明菜を見て、僕は力が抜けたように、その場にへたり込んだ。

「よかった…」






「こうちゃん!」

明菜に体を揺すられて、僕は目覚めた。

どうやら、少し眠ってしまったらしい。

「おはよう…」

目の前に、涙でぐちゃぐちゃになった明菜がいた。

僕は頬笑んだ。

「助けに来てくれたんだね」
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