天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「違うわ」

リンネは、西園寺の顔を見て、

「あんたは、世界をコントロールしたい。魔物であろうと、人間であろうと、すべてのものを支配したい。その貪欲さに、魔王は注目されている」


西園寺は、言葉を失った。

リンネは、そんな西園寺を見て、にやりと笑った。

「あなたにとって、悪い話ではないと思うわ」

リンネは、そういうと、部屋から出ていこうとした。

「最後に」

リンネは出ていく前に、西園寺の背中に向かって言った。

「アルテミアは…あなたに差し上げるわ。いずれは、あなたと…アルテミアで世界を統治したらいい」

それは、甘い罠。


西園寺の心の隙間に、その甘さは染み込んでいく。

人では、目的を達成できないと感じていた西園寺に、

リンネの話はとても、心に染みる話だった。
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