天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「精霊魔法…だと」

サラは、せせら笑った。

「そのような過去の遺物。我が魔王が、造り出した魔物には、きかないことを忘れたか!」


かつて、自然とともにあったーーこの世界は、精霊とともにあり、人々は精霊の力を借り、火をおこしたり、魔物を倒したりしていた。

しかし、今の魔王に王位が変わった時、

彼は、あらゆる魔物の性質を変化させただけではなく、精霊や妖精を住めなくする物質を大気に、ばらまいていた。


今、サーシャが使おうとしているのは…死滅した精霊達の魂を…集めているのだ。

サーシャの瞳のエメラルドの輝きが、増していく。



「貴様…もしかして…」

サラは、サーシャの瞳から、溢れてくる力を感じた。

もう存在できないはずの精霊の力を、感じた。

だが、それも死者の力だ。

「混ざっているのか…」

すぐに、サーシャの体…全身が光と化す。

「だが…所詮。滅んだ一族」

サラは笑みを絶やさず、手を前に翳した。

「我等ブラックサイエンス!この地を、魔から守る者なり!」

サーシャの折れたドラゴンキラーが、光と一体化し、復活する。

「来い!」

サラから、笑みが消えた。

「ソード・オブ・ソウル!」

サーシャは、一陣の光の刃と化した。
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