天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「か、核弾頭……発射しません」

オペレーターが目を見張り、キーボードを叩いた。

「何があった!」

マリアは煙草を、灰皿にねじ込むと、立ち上がった。



「す、凄まじい…念動力が……核弾頭を抑えつけています!こ、このままでは、発射する前に、爆発します!」

「チッ!」

マリアは舌打ちすると、叫んだ。

「核弾頭発射中止しろ!」

マリアは、椅子に座りなおすと、指の爪を噛んだ。

「十万の軍勢がいるんだ……それに、ディグ!」

マリアは、また立ち上がり、

「作戦変更!直接攻撃!全軍戦闘体勢に、入れ!」

マリアは、オペレーターを見、

「ディグブレイドを、全面に展開させろ」





鉄を落とす音、剣を抜く音がこだまし、十万の軍勢が、進軍する。

遥か向こうに、魔王の城が見える。

ここは、一面に広がる向日葵畑だった。

十万の軍勢がいても、向日葵畑を覆い隠すことは、できなかった。

イメージのギャプに驚く人々は、魔王の城に向かって、もう一度テレポートしょうとした。

しかし、人々はテレポートしても、同じ場所にいた。

ここ以上、奥にいけない。

戸惑う兵士達。



「どうなっている?」

マリアは絶句した。

「どうやら……ここは異空間のようです!テレポートで入ってきた者を、幽閉する…一種の罠です」

マリアは、舌打ちした。

そして、オペレーターに告げた。

「ディグブレイドは、空間を切り裂けるわ!彼らだけを、城に向かわせて!他の者は、待機!」 

マリアの号令に、ディグブレイドの瞳が輝き、両手について、刃を振動させた。

そして、百機のディグブレイドが、空間を切り裂こうとした時………

ディグブレイドの動きが、止まった。


「空中から、こちらの空間に侵入して来る者が、います!あ、あと他にも……テレポート反応有り!」

「誰だ?」

マリアは、目の前にある端末に、指を走らせた。
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