天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
新たな魔物が、ゴブリンに合流しょうと、進撃した時、

その前に、黒い物体が立ち塞がった。


猿の顔に、虎の体…蛇の尻尾を持ったキマイラの群れに、1人挑む……ジェシカ。

「モード・チェンジ!アーマードモード」

ジェシカの声に反応して、ディグの全身を包む結界から、銃火器が、飛び出してくる。その姿は、ハリネズミだ。

ミサイルや、光線の束が、キマイラに降り注ぐ。

絶叫を上げて、飛び散る肉片と、血の匂いに、

ディグは咆哮した。


ディグの両手の指から、鋭い爪が、飛び出すと、キマイラの群れに飛び掛かる。

「モード・チェンジ!ストロングモード」

結界が盛り上がり、まるで筋肉のようになる。

キマイラを引き契り、潰すディグ。

圧倒的な破壊力だった。

ジェシカは、自分で戦いながら…まるで、他人事のように感じていた。



「ディグ!交戦状態に入りました」

本部内のオペレーターの報告を受けて、マリアが椅子から、立ち上がった。

「ディグブレイド!発動!」

マリアの号令に、百体のディグブレイドが、テレポートする。

マリアは、にやりと笑った。

ディグブレイドは、一瞬にして、魔界の深部へテレポートした。


最初から、一般の戦士は囮である。雑魚は、やつらに任せたらいい。

「次いで、防衛軍本隊も、テレポートします!」

オペレーターが叫ぶ。

「テレポートアウト後、すぐに核弾頭を使用しろ!そこは、我々の土地で非ず!魔界だ。遠慮するな」

マリアは、椅子に座ると、煙草をくわえた。

「どちらにつくにせよ…。あたし達が、有利にならなければならない。魔王の戦力は、できるだけ削ぐ」

マリアは、笑った。

「本隊も、テレポート成功!」

オペレーターの報告に、マリアは満足気に呟いた。

ディグブレイドや、本隊がテレポートしたところは、ライの城の近くだった。

ライとの盟約があったとはいえ、簡単に心臓部に入れるとは…マリアは、笑いが止まらなかった。

「核弾頭発射!」

煙草を吹かしながら、興奮気味に言ったマリア。

「主導権は我らに」
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