天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「馬鹿目…」

城の中、玉座に座るライは、片手を上げた。

手の平に、丸い球体が浮かび…その中で、すさまじい爆発が起こっていた。

ライは、その球体をぎゅっと握り締めると、

爆発は消え…黒い煙のようなものがものだけが、球体の中を彷徨い……消滅した。




爆風と、光りが去った後………本部も、そこにいた十万の兵士もいなくなり……ジェシカのディグと……数体のディグブレイドだけが、

向日葵畑に倒れていた。

どうやら…核の直撃に耐えれたのは、ディグと…無傷だったディグブレイドだけだった。


ジェシカは、助かったことより、どうしょうもない虚脱感に見舞われていた。

周りを破壊した後悔も、生き残った嬉しさもない。


「まだ……生きてるんだ」


そのことが、笑えてきた。

ディグブレイドも、完全に動きを止めている。



「もうどうなってもいい……」


と思った時、ディグの周りに、天から翼を持った魔物達が、数えきれないほど…降りてきた。



ジェシカの眼球に、敵の数と残ったディグブレイドの数が、表示される。

魔物の数は、二万。

ディグブレイドは……結構残っていた。

72体。


(もう……いいだろう…)

と諦めて…死のうと思ったが、勝手にディグは立ち上がっていた。

周りを見ると、ディグブレイドも立ち上がっていた。

ジェシカに通信が、入る。

「こちら…特務隊隊員宮城!本部亡き今、大尉に身を預けたい!ご指示を!」

「ジェシカ・ベイカー大尉!」


隊員の通信が、次々に入る。


(そうだな……)

ジェシカは、目をつぶり、

(最後は……戦って、終わろう)

もう目を開けた時には、ジェシカは兵士の顔になっていた。

「もう暴走は、大丈夫なのか?」

ジェシカの言葉に、

「はい!」

72人が、返事した。
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