天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「日本に駐留している戦士達を、撤退させろ!もうあの国に、価値はない…」

大統領がもう一度、欠伸をした瞬間、

凄まじい地震がわき起こった。

それは…横ではなく、縦揺れだ。

「地震か!」

大統領がしがみついた机も、ひっくり返る。

まるで、ミキサーにかけられているように、部屋が…大統領がいるホワイトハウスが、駒のように回る。

「魔反応上昇…」

部下は、胸元にしまっていた懐中時計型の測定器を確認した。

「さらに上昇…。こ、これは…神レベルです!」

「何!?」

大統領が、驚きの声を上げた。

その瞬間、

ワシントンの近くにあるアメリカ国防省のスクリーンが、異常事態を告げていた。

北アメリカ大陸の地図の上に、亀裂が走っていく。

「どういうことだ!」

仮眠室で、少し睡眠を取っていた国防省長官が、司令室に飛び込んできた。

「この地震は…」

50人くらいがいるオペレーターの1人が叫ぶ。

「魔力です!北と南…アメリカ大陸のプレートが、揺らされています」

映画館のように段があり、幾重にも並ぶディスクの上で、オペレーターは水晶に手を当て、現在の様子を探る。

「ニューヨーク…ロサンゼルスに…津波発生!」
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