天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
モード・チェンジ
ヨーロッパ大陸のギリシャにある――魔法管理局。


そこに、アメリカの壊滅の知らせが入ったのは、すぐのことだった。

世界中にばらまかれた監視用の式神達が、情報を伝えてきたのだ。

「アメリカは、最大のポイント保有国…。それが、陥落したとなれば…我々の戦力も落ちることになる」

どれくらい広いかわからない…真っ暗な空間に、青白く光る球体が8つ。

その球の正体は、白色の球状の椅子。

それに、腰掛ける8人の賢者。

全員、白いフードを頭から被っており…性別、年齢、表情はわからない。

「使われなかったポイントは、式神に回収させておる」

「核を使っただと」

「あの国は、魔物との戦い方を知らん!空母など…人が集まってるだけで、何の効果もない」

「この世界は、人だけの世ではない。大量破壊兵器は、人自身を殺すだけだ」

球体は、ゆっくりと無軌道に、暗闇の中を飛び回る。

「今の世に、必要なのは…人そのもののレベルが、上がることじゃ」

「来るべき…最後の聖戦の為に…」

「預言者は、何と申しておる」

「わからぬと…」

「なぜじゃ」

「それは…人ならざる者なれば…人の力を超えておる」
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