ランニングコース 〜君の愛のこもったLoveLetter〜1

名前の知らない彼 冬架side


「冬が来た」

嬉しいはずなのに、嬉しくない…。

冷え性のあたしにとってとても厳しい四季だから。

でも冬は大好き。

冬になって気温がグッと下がると…。

真っ白な綺麗な雪が空からフワリフワリと舞い降りてくる。

あたしの名前は、橘冬架。

冬を乗り越える橋を架ける。

…って意味らしい。


あたしは何気無く窓から顔を覗かせる。

「やっぱり冬…」

あたしは呟くように空に向かって一人言う。

まだ11月下旬にも関わらず、雪は盛大に積もっている。

今日は、曇りだから綺麗な空も見えない。

あたしは降っている最中の雪が大好き。

地面に落ちた時点では…うーん、と唸る。

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