ノラ猫
 
一人街をさまよい歩く。


フラフラと
宛もないまま……。


「……一人ぼっち、か……」


ぽつりと漏れた言葉。
空を見上げて、曇り空を眺めた。



一人……

違う。

独り。


やっぱりこのほうが、あたしにはお似合いなんだ。


下手な慣れないなんかするから、情なんて生まれて辛くなる。
それなら最初から、誰にも懐かず、愛情なんて求めずに……。



「ねえ、一人?
 一緒に飲みに行かない?」


「………いいよ」



ほら。

これがあたしの生きる道……。
 
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