不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



「涼君 送ってくれてありがとうね」

「い、いえ」

家の前で

「志織さんに『ごちそうさまでした』って伝えておいてね」

「はい。じゃあ先輩」

「うん。またね。気をつけて帰ってね」

「はい。おやすみなさい」

「おやすみなさい」

涼君が自転車で帰って行く。

その後ろ姿を見送りながら

本当に羨ましいくらいに真っ直ぐなんだ。

涼君と付き合ったら…きっと楽しいと思う。

きっと嘘はつかないだろう。

……



千恵には『もう関係ない』って言ったけど…

何処かで引きずっている。

こだわっている。

一歩踏み出すのを怖がっている。

……



私、こんなに弱虫だったのかな?

いつも強い、ポジティブだと思っていたけど…


< 117 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop