不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「練習終わりました。行きましょうか?」
そこに悠も来て
「涼、先輩」
「うん。じゃあ行こうか。…さよなら」
相手の顔も見ずに
「待てよ!まだ話しは」
「今更何を話すの?話すことなんて何もないことはそっちが一番知ってるでしょう?」
「凛」
……
…
初めてこんな顔を見た先輩の。
顔色は青く、そして冷たい口調
……
…
コイツはいったい何者なんだ?
先輩とどんな関係なんだ?
――
―
先輩と悠と3人で自転車を走らせ
「じゃあ私は此方だから。2人ともありがとうね」
「家まで送ります」
「いいよ。1人で」
「送ります。な、悠」
「あぁ」
こんな先輩を1人にしとけない。
「…涼君、本当におじ様に似てるね」
「えっ?」
「フフフ…ありがとう。じゃあ送って下さい」
「はい」
また3人自転車を走らせる。