不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



「先輩」

「えっ?」

「やっぱり先輩頑張りすぎです。家も共稼ぎですけど…俺も陽菜もそんなに確りしてないし。陽菜なんて親にべったり甘えてます」

たぶん先輩が陽菜の年にはあんな甘ったれではなかったはずだ。

陽菜がピアノを習い始めた頃から初めからあんなになついて慕ってたなら年より確りしてい たんだろう。

「フフフ…陽菜ちゃんは本当に天真爛漫よね。私には羨ましかった」

「陽菜がですか?」

「素直に『凛ちゃん大好き』って…千恵に『凛ちゃんは陽菜の凛ちゃんなの。千恵ちゃんのじゃないの』って言える陽菜ちゃんが羨ましかった。私には出来ないもん。私が陽菜ちゃんならあんなにはっきりとは言えないと思う」

「あの~先輩」

「うん?」

「陽菜は何にも考えてませんから。アイツは親父に似て自分の意思を通そうとするだけで」

恥ずかしいくらいアイツは親父に似ている。

「フフフ…どっちかって言うと陽菜ちゃんがおじ様似で涼君が志織さん似なのね」

「そうですか?」

「おじ様にも似てるけど…」

「……」

「この間ね」

先輩がまた話し始めた。

「涼君と尾崎君が助けてくれた時」

「はい」

「あの人ね『やり直そう』だって」

「えっ?」

『やり直そう』って…

アイツには 『恥』って言葉はないのか?

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