不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~


コンコン!

「はい」

ガチャッ!

「お兄ちゃん、パパお風呂上がったよ。入って」

「あ、まだ宿題終わってないからお前先に入れ」

「うん、じゃあそうする」

陽菜がドアを閉めようとして

「あ、英和辞書」

「英和辞書?」

「うん。凛ちゃんがさっき貸してって言ってたでしょう。貸して 」

「あ、あぁ」

さっきのやつか。

陽菜に英和辞書を渡して

「じゃあお先に」

階段を降りて行った。

――



何とか宿題を済ませ下に降りる。

「あら、宿題は済んだの」

「ん」

キッチンに行き水を飲み

リビングでは親父が酒を飲んでいる。

親父の向かい側に座り

「お前、明日もクラブか?」

「そう。いつもと一緒」

野球部に土、日は関係ない。

朝9時から練習は始まる。

「明日な、陽菜と凛ちゃん連れて出掛けるから」

「えっ?」

「陽菜がね、何処かへ行こうとおねだりしたのよ。凛ちゃんと一緒が嬉しくてならないらしいわ」

「ハハハ…アイツは凛ちゃんの熱烈なファンだからな」

「何処へ行くんだ?」

「陽菜のリクエストは水族館なの」

「水族館か」

「お前も行きたいのか?」

「じ、冗談!」

「その割りには顔が赤いぞ」

「……」

「クククク…ハハハ…」

「恭介さん、からかわないの」

お袋が言うが親父は笑ってる。

何か今日の親父、俺に絡んでくるんだよな。

「何がおかしいの?」

陽菜と先輩が…

先輩…風呂上がりだからか、ほんのり赤い。

「志織さん、涼君、お先でした」

「よく温まった?陽菜、凛ちゃんに迷惑掛けなかった?」

「ママ!」

また膨れてるし。

「フフフ…大丈夫ですよ」

「ね~」

陽菜が先輩にへばりついてる。

お袋が二人にお茶を渡して


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