不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



「あら~じゃあ涼君、フラれたんだぁ。可哀想」

顔が笑ってますよ。

「じゃあさ、陽菜ちゃんは藤倉がどんな人と結婚…てか付き合ったらいいと思う?」

千葉先輩?

「えっ?お兄ちゃんの彼女?う~ん考えたことないなぁ…そうだなぁ。う~ん」

何か真剣に悩み出した。

こういう時迄真面目なのはお袋に似てんな。

ま、ちょっとピントずれてるけど。

その様子を見て3人はクスクス笑ってる。

「陽菜、そんなにマジに考えなくていいから。早くシャーベット食え。溶けるぞ」

「あ、いけない」

シャーベットを口にして

「お兄ちゃんの彼女って思い浮かばないよ。お兄ちゃんはどんな人がいい?」

お、おい。俺に矛先を向けんな。

「……」

「お兄ちゃん」

「陽菜ちゃん、もういいじゃないか。 藤倉が困ってる」

千葉先輩が助け船を。

「あ…は、はい」

陽菜がまた赤くなって

「お兄ちゃん、ごめんね」

「もういいから」

「…うん」

「じゃあもう食べたことだしそろそろ 行こうか?な、陽菜ちゃん」

千葉先輩に微笑み掛けられて

「はい」

やっと元の陽菜に。

先輩も

「さ、陽菜ちゃんお昼からも遊ぼうね」

「うん」

嬉しそうに先輩にくっついてる。

どんだけ好きなんだよ。

「ホントに陽菜ちゃん可愛い」

「だな」

片桐先輩と千葉先輩が

「だけど」

「お前には強敵だな」

「……」

「フフフ…」

2人とも面白がりすぎです。


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