不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
第20章 初デート?(4)



観覧車を降りて

「凛ちゃん、お兄ちゃん、綺麗だったね」

陽菜が顔をキラキラさせている。

本当にコイツのこんな顔を見ていると不思議と心が穏やかになる。

それは先輩にしても同じようでさっきまでとは違い本来の笑顔を陽菜に見せている。

ん。

これは…人を和ませるのは数少ない陽菜の長所だな。

てか、お袋譲りだな。

「水島と話せたか?」

千葉先輩がこっそりと

「ありがとうございます。何とか」

「うん。水島の顔が元に戻ってる」

先輩と陽菜と片桐先輩の後ろから着いて歩きながら

「お前なら…水島がありのままの水島でいられる」

「千葉先輩?」

「千恵がいつも心配しているんだ。あの去年のことがあって以来 『凛は何処かで無理をしている。いずれポッキリと折れるかも』てな。千恵の前にいる時はいつもの水島だけど…やはり千恵にも心配かけたくないって思いが無意識にあるみたいで。それに…」

「はい?」

「俺に遠慮をしている部分もあるんだろう」

えっ?

千葉先輩に遠慮って?



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