不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



――



晩飯が終わり

お袋と陽菜が後片付けをしている間に親父は風呂へ。

話をしなければならないので俺はリビングでテレビを見るともなしに…

親父が風呂から出て陽菜も俺の横に座り

「はい、恭介さん」

お袋がアイスティーを親父と俺達に。

「涼、話せ」

親父は相変わらず単刀直入に聞く。

俺も昨日のことを親父とお袋に話す。

時々、陽菜が補足を入れながら。

…ちょっとオーバー気味な気もするが。

聞き終わり

「陽菜はソイツを追っ払ったのか?」

「うん。お兄ちゃん達が来てくれてなかったらアイツをどついてたわ。パパの言う通りに」

「クククク…さすが俺の娘だな。偉い」

「恭介さん」

「親父」

何でそこで陽菜を褒めるんだ?

「うん。私は大丈夫だよ。あんな男になんか負けないよ。何たってパパの娘だもん」

ほら、陽菜が図に乗った。

「陽菜、貴女は女の子なのよ。それにいつもそれで上手くいくわけじゃないの。貴女が相手を叩いたりしたら逆上して何をされるか分かったもんじゃないんだから。そういう時はいつも持たせている防犯ブザーを直ぐに押しなさい」

「ママ」

「いいわね」

静かに話しているど…威厳がある。

「はい」

陽菜も逆らえない。

「恭介さんもですよ。陽菜は何でも真面目に受け取るんだから」

「おい、俺は冗談なんかで」

「それは分かっています。でもあまりに過激なことを言わないで下さいね。陽菜が危険な目にあったらどうします?」

「……」

さすがに親父も何も言い返せない。

恐るべし、お袋!






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