不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
第23章 陽菜(1)


BuBuBuBu

ん、電話。

練習が終わって部室に戻りロッカーを開けると鞄越しに携帯のバ イブ音。

携帯を取り出して見ると…お袋!

珍しい。

「はい」

『涼、まだ学校?』

「ん。練習終わったとこ」

『じゃあ分からないわよね』

「どうかした?」

何かお袋が焦ってるような。

『うん、母さん今帰って来たんだけど陽菜がいないの』

「えっ?陽菜が」

俺の声がでかかったのか悠と千葉先輩が側に来た。

『えぇ。学校から帰ってないみたいなの。今日は部活の日だから 終わってから寄り道でもしてるのかと思ったんだけど、ちょっと遅すぎるし。携帯も通じないのよ』

もしかして…

耳をそばだてていた千葉先輩が『水島に聞いてみる』と部室を出て行く。

「祖母ちゃんとこに寄ってるんじゃ」

『来てないって。何人か友達の所も電話したんだけど学校で別れたって。この間の一件があるからちょっと心配で』

そりゃそうだろう。

「親父は?」

『今日は取引先と打ち合わせで…だからあまり心配かけたくないし』

「ん」

取引先と食事か。

まだ陽菜の様子がはっきり分からないから親父には知らせたくな いってお袋の気持ちは分かる。

本屋や雑貨屋に寄って遅くなってるだけかもしれないし。

「とにかく俺も心当たりを探してみるから。母さんは陽菜が帰ってくるかもしれないから家にいて」

『えぇ、分かったわ』



< 249 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop