不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



「涼」

横で聞いていた悠が心配そうに

「陽菜ちゃん帰らないのか?」

「あぁ、どうもそうみたいだ」

2人急いで着替えてると

「藤倉」

「千葉先輩」

手招きされ悠と部室を出る。

「水島も驚いてた。今、こっちに向かってる」

「すみません。ただ遊びに行ってるだけかも」

「それならそれで安心だ。だけど」

「そうだよ。涼、万が一の場合が」

「ん」

2人ともあの男のことを気にしている。

千葉先輩も着替えを済ませ部室を出て学校を出ると

「悟」

「涼君」

水島先輩と片桐先輩が自転車で走って来た。

「先輩」

「千恵」

「涼君、陽菜ちゃん」

自転車を降り心配そうに。

「はい。まだ帰らないそうです」

「私も陽菜ちゃんにかけてるんだけど」

やはり繋がらないのか。

陽菜

あの馬鹿、何処で何してんだよ?

「涼君、雅巳にかけてみようか?」

「いや、それは。もし関係なかったらややこしいことに」

また先輩がねちねち言いがかりをつけられるかも知れない。

「でも…」

これほど見つからない、陽菜と連絡が取れないのはたぶん…

って、俺達の脳裏にはアイツが浮かんでいる。



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