不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
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「もう遅くなりますし、お父さん達も帰って来る頃なのでこれで失礼します」
「もう帰るの?」
「フフフ…陽菜ちゃんまたレッスンの時ね」
「ぅ、うん」
「俺は酒を飲んでしまったから送れないな、涼、凛ちゃんを送れ」
「えっ?」
「あ、おじ様 私1人で大丈夫です」
「駄目よ凛ちゃん。女の子1人なんて危ないから。涼」
「あ、あぁ」
「陽菜も行く」
「陽菜はいいの。貴女がついて行ったらまた別れる時ぐずるだけだから」
「ママ、私そんなに子どもじゃないもん」
また膨れてるし。
「ハハハ…陽菜は待ってなさい。いいな」
「…はい」
さすがの陽菜も親父には逆らえない。
先輩が
「おじ様、志織さん、お世話になりました」
「此方こそ陽菜達の面倒を押し付けてごめんなさいね」
「いえ」
「凛ちゃん、また遊びにおいで」
「はい」
「凛ちゃん、じゃあ金曜日にね」
「フフフ…待ってるわね」
「うん」
靴を履いて
「じゃあ涼、ちゃんと送るのよ」
「あぁ」
先輩と2人家を出た。