箱庭



そうだよ



だから大丈夫。



ぼくが微笑むとアセビは安心したようににへっと笑った



はじめて見る顔にぼくは不覚にもどきっとしてしまった



「やだ〜、雨君顔赤いわよ?」



「ちょっ、そう言うこと言わないでくださいよ!」




ポーンエレベーターから音がした



ぼくはドアの方を見た



ドアが開くと、そこには上野さんが立っていた



…上野さん?アセビに会いに来たのか?



「やあ、アセビちゃんいるかい?」



「あ、はい。ここにいますよ。」



「アセビちゃん、時間だよ。」



上野さんがそう言うとアセビはちょこちょこと歩きだした



「さあ行くよ。」



上野さんはアセビの手をとりエレベーターに乗った



「あめ、…」



アセビは少し落ち込んでいた



「アセビ明日もくるね?」



ぼくがそう言うとアセビは嬉しそうに顔を上た



「うん…!」



そう言うとエレベーターのドアは閉まり



2人を乗せて下へ行ってしまった



…上野さんが言ってた時間って何のじかんだろう…?



「…いっちゃったね?」



私達も帰りましょ?



美由紀がニッコリと微笑んだ



「そうですね、帰りますか。」



そう言ってぼくたちも庭を後にした



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