光と闇の境界線(短くて、短いお話)
第二の曲□黒猫夜想迷組曲
―――黒猫が横切った。
…私の目の前を
どこに向かうのか、
私にはわからない。
ただ颯爽と、駆けていく。
私はそれを目で追い掛けるだけ。
その時、ふいに立ち止まり、
後ろを振り向いてきた黒猫と
目が合った。
澄みきったコバルトブルーの瞳を
私へと向けてくる。
しばらくして、黒猫は前を向き
走り去っていった。