俺の魂を狂わす女
湯舟につかった彼女が片側につめた。

大人が二人だと窮屈だ。

案の定俺が入ると満タンの湯がザバーッと滝のように流れ

それを見た彼女はキャッキャッと子供のようにはしゃいだ。

「今の見た?」

満面の笑みを俺に向けた。

「こぼれただけだろ。」

「すごかったじゃない。」

俺の胸に自分の背中をつける形で寄りかかった彼女は

俺の両手を自分の胸の前でクロスさせた。

「玲香。」

「はい?」

「俺のどこがいいんだ?」

「ひと目惚れなのよ。」

「冷めなきゃいいが。」

いきなり体ごと振り向いて俺と目を合わせた。

湯が盛大に揺れた。

「沸騰中よ。」

そう言ってキスをしてきた。

俺がそれに応えたら気が済んだのか

今度は首に腕を回し体を密着させてきた。

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