俺の魂を狂わす女
「あの、彼が事故ったんですか?」

「トラックが接触して転倒したと聞いたところです。日高は救急車で運ばれました。」

私は彼の転倒という言葉に動揺した。

次第にドクドクと早まる自分の胸を

コントロールできないことに戸惑った。

「病院はどちらですの?」

そう言う自分に驚いた。

「ちょっと遠くて◯◯中央病院です。」

「私がまいりますわ。」

自分のその言葉にさらに驚いた。

「でもご迷惑ではないですか?」

「いえ、私でしたら大丈夫です。車ですぐ向かいます。」

私は早口に言い捨て

男性をその場に残し

足早に駐車場へ行き

急いで自分の車に乗り込んだ。

一回でエンジンを始動させアクセルを踏んだ。

手早くナビでルートを設定し

到着予定時刻をチラッと確認した。

心臓が早鐘のように鳴り響いて静まらない。

どこをどう通って病院にたどり着いたのか

後で思い出せなかった。

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