Love Game



その夜

RuRuRuRu

やっと掛かってきた。

それもマンションのエントランスにいると。

どうして?

なぜ?

急いで解錠して瑞季を部屋に。

瑞季は俺と目を合わせようともしない。

「コーヒーでいい?」

「あ、う、うん」

いたたまれなくなりキッチンに逃げ込むように行きコーヒーの支度をしながら

「何で連絡しないで」

「あ、ごめん。そうだよね、漣君出掛けてたかもしれなかったよね」

ん?

その言い方に…

「…俺が出掛けてた方がよかったよね」

「えっ?」

反射的にキッチンにいる俺に目を

「出掛けてたら会わずにすんだよね。 一応来たんだから約束は破ったことにはならない」

俺は何を言ってるんだ?

こんなことを言いたいわけじゃないのに。

瑞季を困らせないわけじゃないのに。

だが、あまりにも瑞希がおどおどしてるから…

「違う!そんなことは考えてない。先に連絡したら…また感情的になって… それこそ来れなくなると思ったから約束破ることに なると思ったから…だから」

必死になって説明を。

こんなことを言わせたいわけじゃない。

「ごめん」

俺の言葉がまた瑞希を傷つける。

「あ、謝らないで…謝ることなんてない」

瑞希には俺がどう映ってるんだろう?

我が儘で自分勝手でどうしようもない男に見えているんだろうか?




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