Love Game

「瑞希さん」

「あ、絵梨香ちゃん。ごめんね、待たせて」

「ううん、私も今きたとこ。漣君達もまだだし」

夜、７時

今日のお店は前にも絵梨香ちゃんと来たことがあるイタリアン。

「瑞希さん、ごめんね付き合わせちゃって」

絵梨香ちゃんが手を合わせて

「止めてよ。気にしてないから。それに…」

「うん。本当に可哀想なのは漣君だよね。ホテルに缶詰だし」

「矢野さんも付き合ってんでしょう？」

「そう。ま、仕方ないんだけど」

「漣君もだけど絵梨香ちゃんも矢野さんも可哀想よね」

「まぁね。でもこうして会ったり出来るから私達はいいんだけど」

「うん？」

「漣君の彼女が気の毒だなって」

「漣君の彼女？」

絵梨香ちゃんは知らないはずだよね。

「うん。はっきり聞いたわけじゃないけど…何となくね」

「へぇ～」

「瑞希さん聞いてない？」

「私？ううん。全く」

まさか『私です』なんて言えるわけないじゃない。