㈱恋人屋 TWICE!
ファイル13・心理学博士・小見波新
微妙な心境は、何日か続いた。

「はぁ…。」
「どうした? 元気ないな?」
「…察してよね、それくらい。」

今の私の依頼人で、心理学者で博士号も取得している小見波新(コミナミ・アラタ)も、私のよどんだ気持ちに気づいたようだ。

実は、新とは大学で一緒だった。同級生で、しかも同い年。

なのに、私とは頭の出来が違いすぎて、ついでになかなかのイケメンで…。

そのせいなのか、少し俺様な所もあったりする。

「…で、どこ行く?」
「そこは男子が決めることでしょ?」
「…んなこと言われてもな…。じゃあとりあえず、遊園地でも行くか。」
「お、なかなかセンスいいんじゃん。」
「褒めんなっての。ほら、行くぞ。」

新に連れられて、私はとある遊園地に来た。

「じゃ、とりあえず最初はジェットコースターでテンション上げとくか。」
「え、ジェットコースター?」
「…まさか、苦手なのか?」
「うん…。」
「ま、関係ないか。苦手かどうかは、乗ってみないと分かんないだろ?」
「関係あるって。」
「お、一番前空いてる。ラッキー。」
「ちょっと…。」

勝手に決められ、私は一番前に乗る羽目に。

「プルルルル…。」

発車の合図が、地獄への案内に聞こえた…。
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