エリート同期のプロポーズ!?
「それじゃ、また。早く部屋に入って。おやすみー」


絢斗君を乗せた車が、颯爽。という表現がぴったりくる様子で走り去る。


あっという間に見えなくなる姿を見ながら、手を振ってみたりして。




こんなことになるとは思わなかった。


数時間前までは、予想もしてなかった。



こうやって、少しずつ『幸せ慣れ』していけばあたし……きっと本当に幸せになれる。




アパートに戻り、絢斗君の名刺の手描き部分を一通り携帯に登録する。


『今日はどうもありがとう。おやすみなさい』


短いメッセージを送ってみる。


守られる安心感、ひとりぼっちじゃないという喜び……


30歳の誕生日プレゼントに、央がくれた『約束』よりも、もっと確かなものを、あたしは手に入れた…んだよね?


10年後、お互い売れ残っていたら、じゃなくって。



今すぐにでもあたしを必要としてくれている人に出逢ったんだ。


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