エリート同期のプロポーズ!?
絢斗君が、立ち止まる。


……そんなわけないだろう、って言うのかな?


仮にも、プロポーズした相手にそんなこと言われたら傷つく?怒りだす?



それとも…………



「内緒」


いたずらっ子のように笑っているけど、とてもとてもかっこいいけど……


あたしは、自分の予感が当たったような気がした。


悲しいけど、やっぱりな、という想いが胸に拡がる。


確証はないんだけど。


あたしみたいな、不安定さ。


同じだからこそ分かると言うか……。


絢斗君は、誰が好きなの?


誰かに想いがあるのなら、どうしてあたしにプロポーズするの?


それとも……誰も好きじゃないの?


あたし達はどうして″恋人同士″なんだろう。


なんのために、こんなことをしているんだろう。
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