エリート同期のプロポーズ!?
「あれ、でもじゃあ地元って……」


ふと、わいた疑問を口にする。摩耶は東北地方の出身だ。


「うん、仕事辞めて地元に戻る……と思いきや」


摩耶の、声のトーンが上がる。


「その彼の会社、海外勤務があるのね。だから、あたしもついていくから、仕事辞めて英会話習いに行かないと!」


キャーーーー!


あたし達が、きゃーとも、ぎゃーともつかない叫び声をあげていると、央が戻ってきた。


「昼間っからうるせーやつがいるなと思ったらまさかの身内かよ…」


男友達の『身内』という言葉に、くすぐったくなるほど飢えているあたし、32歳。


「ちょっと央。摩耶が大変なことになってるわよ!!」


志帆が、摩耶と彼の馴れ初めを興奮気味に説明し始める。
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