私の師匠は沖田総司です【上】
「やっ、やめ……」

やめてと言いたかった。これ以上、私の大切な人たちを奪わないでと。

でも、私の声は喉の奥で燻(クスブ)るだけだった。

何もできず、唯呆然と見ることしかできない。

そして、私の大切な人は最後の一人となった。

最後は……師匠だった。

血を纏った刀身が師匠を目がけて振り下ろされる。

「しっ、師匠……!」

震える声で師匠を呼んだ。けど、刀は師匠の体を容赦なく斬った。

「うぁ……あぁ……」

体の震えと共に言葉にならない声が口から漏れる。

師匠を殺した男が私の方に振り替えると、血で赤く染まった歯を見せて笑った。

まるで、次はおまえの番だというように……。
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