私の師匠は沖田総司です【上】
それから、5日ほど過ぎました。

5日経っても、私の心身は共に疲弊しており、毎晩大切な人が亡くなっていく夢に悩まされていました。

浅い眠りの中、夢と現実を行ったり来たりするばかりで、深い眠りにつけない。

悪夢をみるのを恐れ、無意識に体が眠るのを拒んでいるようです。

深い眠りにつけていないため常に身体は怠く、鏡を見れば目の下にパンダみたいな黒々としたクマができています。

自分で自分の顔に笑ってしまいますよ。

そんな私を心配してか、藤堂さんをはじめ多くの人が私の部屋に来て話し相手になってくれたり、お土産を持って来てくれました。

そのため、私の部屋は物で溢れかえっています。

特に山南さんからお借りした本の量が凄いです。

軽く本のビル群ができています。

山南さんは私に文字を教えてくださる先生ですから、刀が握れない今、学問の方に集中しろという意味だと思います。

部屋にいる時間を有効的に活用させる。

さすがは山南さんだと言わざるをえませんね。

そのおかげで、この時代のミミズみたいな文字を大方理解できるようになりました。
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