私の師匠は沖田総司です【上】
なるほど、普段屯所でしていることをやればいいんですね。

それなら私にもできそうです。

「しかしな……」

「もちろん働いてくれた分のお礼はするで。角屋でできることは何でもするからな。ねえ、女将はん」

「ええ、とにかく今は人手が欲しいんや」

千代菊さんが私を見ました。まるで何かを訴えているような目です。

……まさかあの日、角屋で千代菊さんが思いついた方法と言うのはコレのことでしょうか。

私が角屋で働き、その見返りとして明里さんの休みをお願いする。

そうとしか考えられませんね。

だから千代菊さんはさっき「角屋でできることは何でもする」って言ったんだ。

なら私の答えは決まっています。

「分かりました。私、角屋で働きます!」

山南さんの未来を変えるために。

そして明里さんやこのチャンスを作ってくれた千代菊さんのためにも。

天宮蒼蝶、角屋で働きます!!
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