私の師匠は沖田総司です【上】
「う……ん……」
隣で眠っていた蒼蝶が目を覚ました。まだ眠りから覚めきってないのか、目がトロンとしてる。
「あ、龍馬さん。気がついたんですね。傷の具合はどうですか?」
「まだ痛いけど大丈夫だ。ありがとな、助けてくれて」
「いえ。私は何もできませんでした。お礼なら千代菊さんに言ってください」
「蒼蝶ちゃん、謙遜せんでもええんよ。龍馬が寝とる間頑張って額の布を取り替えとったやん」
「……?どちらさまですか?」
蒼蝶が以蔵を見て首を傾げた。
目の前の奴が千代菊だって分からねえだろうな。
「あ~もうっ!寝惚けた蒼蝶ちゃんも可愛えな!ウチは千代菊なんよ。お姉さんを忘れたらいかんよ」
おい、ちょっとまて。
おまえはお姉さんじゃなくてお兄さんだろうが。
それよりも蒼蝶に気安く抱きつくな。そして撫でんな。
そんなことをしても千代菊だって分かるかよ。
「うみゅ……この撫で方はまさしく千代菊さんです」
撫で方で千代菊だって分かるのか。
……てか、そろそろ
「おい、以蔵。蒼蝶を離せ」
蒼蝶を以蔵から引き剥がし、隣に座らせた。
「以蔵?……ってどういうことですか?」
「千代菊の本当の名前は岡田以蔵っていうんだよ」
「岡田……以蔵?」
以蔵の名前に蒼蝶は考え込んだ。
そして「あっ」と声をあげた。