私の師匠は沖田総司です【上】
「けど……」
「迷惑だと思っているなら、今は少しでも休んで怪我を治してください。そして早く元気になって長州藩邸に帰ってください。分かりましたか?」
「……」
「わ・か・り・ま・し・た・か?」
「……ああ」
返事をすると蒼蝶は満足そうに笑った。
本当、蒼蝶は今まで出会った女と違うよな。
今までの女は俺の外見を見て勝手に好きになったり、機嫌をとる為に媚売る奴ばかりだった。
でも蒼蝶は決してそんなことをしない。
さっきみたいに俺に向かって怒ったりするんだよな。
俺と同じ目線で接してくれる。
……本当、側にいて欲しいって思える女。
蒼蝶、俺は普段隠しているがかなりの小心者なんだ。
今だって本当は命狙われて怖いと思ってる。稔麿たちが心配で不安になる。
この国を変えたいって思ってるけど、本当にできるのか分からねえんだ。
絶対に見せられない俺の弱い部分。
今までの女ならこんな弱い部分を見たら離れて行くと思う。
こんな弱い人間の筈じゃなかったって。
でも、おまえなら……受け止めてくれるんじゃねえか?
俺の勝手な思い込みかもしれないけど、蒼蝶なら見せても大丈夫だと思った。