惑わしの5days・番外編集
まっ、こんな事思ってるけど、冴城君の誘いを断るつもりは無いんだけどね………


「うう…寒い」


結局お母さんにコートを借りて外に出ると、冷たい風がピューーーッと吹き抜ける。


もう11月だし寒いのは当たり前なんだけど、夏の暑さが懐かしい。


「早く暖かくならないかな……でもまだ11月だもんね。冬はこれからか」


ハァーーッと手に息を吹き掛け温めていると、冴城君がなぜか自分の手袋を外した。


「栞、コレしてろよ」


そう言われて差し出されたのは冴城君の黒い手袋で、私は慌てて断る。


「い、いいよ!大丈夫だから!」
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