僕の幸せは、星をめぐるように。


「ちょっと、今からいいかな?」


そう言って、わたしが後ろから歩み寄ると、


「話しかけんでねーよ! まじうざい!」


と言って、平木はわたしの手を振り払った。


「うぉあ!」


わたしは、その勢いで雪に足を滑らせ、情けない声を上げてしまった。

すてーん! と得点10.00の転びっぷりを披露してしまう。


うう、ケツ打った……痛い。


「あ……あはは、いったぁー。あー最近コケてなかったのにー」


わたしは、笑いながら、自分のお尻の雪をほろいつつ立ち上がる。


そして、スニーカーが脱げてしまったため、ケンケンで左足を浮かしてから、履きなおそうとした、


その瞬間――。


「大丈夫!? あんた足っ……」



――え?



その慌てた声の方向を見ると、

目を見開き、心配そうな表情でわたしの左足を見る、平木の姿があった。


わたしは驚きながらもスニーカーを履き、つま先で2、3回足元の雪を蹴ってから、その場に立った。


「…………」


いつの間にか、平木の顔は元に戻っていた。

再び鋭い目線が向けられる。


「別に今ので足痛めてないよ。ケガもとっくに治ってるし」


わたしがそうつぶやくと、彼女は後ろを振り向き、雪に足を滑らせながら、走って去ってしまった。



帰り道、ずっと平木の心配そうな顔があたまにこびりついていた。



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