僕の幸せは、星をめぐるように。
☆ ★ ☆
7月も半分を過ぎた。
梅雨はまだ明けていないけど、
夏休みに向けて昼間の気温はぐんぐんと上がっている。
「あーむしむしする。さぼりてぇー」
そう言って、ユカチンはほっぺたに張り付く髪をぺっと手で払いのけた。
わたしも少し伸びた髪を後ろで一本に結びながら、ポロシャツとハーパン姿でグラウンドに出た。
週3回ある体育の授業。
今週は男女一緒に陸上競技をするらしい。
わたしとユカチンはハードル走を選択し、他の生徒たちと一緒に距離を測りながらハードルを並べていたが、
「トシミちゃーん、こっちさ来てー!!」
とグラウンド奥にいたクラスメイトに大声で呼ばれた。
「なーにー?」
わたしはその声の方へ小走りで向かった。
――え?
しかし、目的地に近付くと、わたしの足は無意識のうちにスピードが落ちる。
ざっざっ、と湿ったグラウンドをゆっくりと引きずりながら進んだ。
そこには、体育の先生が1人と、15人くらいの生徒たち。
その生徒たちは、パラパラと拍手をしながら私を迎えている。
この前お昼を一緒に食べた派手女子たちもいた。
そして、その奥にあるのは、
走り幅跳び用の砂場――。