交換ノート。
第1章
家が隣同士で親も仲が良く、生まれた時からの幼馴染み。
どっちも背が小さくて可愛い系。 「ねぇ!ねぇってば!!!起きて!千春!!!」

体を揺さぶっても唸り声さえ出さずにスヤスヤと寝ている。
ただいまの時間7時半。
登校は8時まで。

……。


「ちぃーはぁーるぅー!!!怒」

構わず千春の上に馬乗りになって腹を殴る。……殴ってみたけど、起きない。

「こうなったら奥の手……」







2時間後

「ねぇぇぇぇぇ!!!千夏なんで起こしてくんないの!?俺遅刻!!!すっごい遅刻!!!」

「あたしちゃんと起こしたよ!!!千春が起きないんだもん!!!お腹まで殴ったのにぃー!」

「だからか!今すっげー腹痛い!泣」


今は1時間目の休み時間。1時間遅刻でやってきた千春は、すっごい怒ってる。

何に怒ってるかっていったら、いろいろ。


「ていうか千春!なんで寝坊するまで昨日起きてたのさ」

「これ書いてた!!!」


そう言って渡してきたのは

「あ、交換ノート」

「うん!!!」


キラキラな笑顔で答える千春。渡されたものの中身を見る。


「うわ、なにこれ。ぎっしり……」

「昨日俺、頑張ったんだぁ~!!!」

「何時間かかったの」

「3時間」

「……」


交換ノートを千春に投げつける。なんなの、交換ノートってその日あったこと全部事細かに書くやつだったっけ?

「千春気持ち悪い!!!ありえない!!!明日から起こしにこないからねっ!!!」

「うあぁぁぁ待って待って!!!ホントごめん昨日は書きたいこといっぱいあってさ、ちょっそんな引かないでっ!?」

とりあえずこの場から立ち去りたくて、千春に背を向けた。

がしっと、手を掴まれる。

「はい、今日は千夏の番ね!!!」



……。


「はぁ。……はいはい。書いてくるね。」


こうやって、今日もあたしと千春は
交換ノートを交わす。




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