初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
そんなことを考えていると、ポンッと軽快な音を立ててエレベーターが着いた。

先に男性が乗って江崎課長、私の順に乗った。

先に乗って後ろに行きたかったが、男性に行かれて私は江崎課長と隣になってしまった。

隣に江崎課長がいると思うだけで、緊張してくる。

総務課は3階、営業課は6階。

加えて動きの遅いエレベーターに、果たして私の心臓はもつのだろうか。

不安になっていると、横から柑橘系の香りがして見てしまった。

きっと今最も見てはいけない人を。

江崎課長は真っ直ぐ扉を見ているが、ただ立っているだけで絵になっている。

やっぱりかっこいいんだな、江崎課長って…。
私こんな人に好きって言われて、付き合っているんだ。

そう思いながらじーっと見ていたため、


「どうした?」


と江崎課長に言われてしまった。


「な、何でもありません!」


顔近いって!

赤く染まったであろう顔を、急いで江崎課長から逸らした。

逸らした直後、ポンッと音が鳴りエレベーターは3階に着いた。
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