初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
た、助かったー…。

何とか3階に着いたことに安堵した。

早く降りよう…。


「では失礼します」


そう言って、さっさと一人で降りようと思ったのに。


「総務に用事があるから先に戻っておけ」


江崎課長は男性にそう言って、私と一緒に降りた。

すっかり江崎課長は6階に行くものだと思い込んでいた私。

驚きとかいうレベルではない。


「あの…?」


総務に何の用事だろう?出張の手続き?いや、江崎課長に出張のスケジュールはなかったと思うし…。
あ、会議室の予約とか?

ああでもないこうでもないと考えていると、江崎課長に手招きされた。

そして江崎課長は総務課のフロアとは違う方向へ歩いていってしまう。


「江崎課長⁉︎」


歩くの早いですって!
というか、どこまで行くんですか⁉︎


追いついたと思った時、私は非常階段にいた。

非常階段は普段滅多に使われない。
普通の階段があるし、何よりエレベーターがある。
使う人なんて勤め出してから一度も見たことがない。
< 31 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop