初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
不安そうな顔を見た由依は手を伸ばしてよしよしとしてくれた。


「千夏は課長のことが好き?」

「うん」

「当たり前だけどその気持ちを常に持って不器用でもいいから素直に伝えること。これを怠ったらまず続かないから」

「う、うん」

「キスとかそれ以上の行為が愛情表現っていうけど、私は気持ちをいかに言葉にして伝えるかが愛情表現なんじゃないかって思うの。言葉にするのって中々恥ずかしいけど、伝えなきゃ分からないこともあるでしょ?人間はエスパーじゃないんだから」


そう言って由依は優しく笑った。
きっと色んなことを経験した由依だから言えることなんだと思う。
言葉に重みがあるし、何より凄い説得力がある。


「ありがとう由依」


今のも、もちろん今までの由依に感謝した。
由依がいなかったら、私は前に進めていなかった。

笑って言うと、由依は満足したように頷き


「初めて実った恋でしょ?大切にね」


と言った。



「さっ、食べるかー…て、あ」

「どうしたの?」

「おにぎり買ったのに6階に忘れた!」

「え、じゃあ由依の前にある定食は…」

「間違えて買ったの!あーもったいないことしたー…」


…これもまぁ毎度恒例と言えばそうである。
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