初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました

その日の夜は一人江崎課長の部屋にいた。別に江崎課長に呼ばれたわけではない。

昼休み、由依と別れた後どうしたらいいか考えていたらなんとなく江崎課長に会いたくなってしまった。

そこで聞いたばかりの由依の言葉を思い出し、気持ちを言葉にして伝えなきゃと思った時には既に江崎課長にメールを送っていた。

ただ一言会いたいですと。

するとすぐに江崎課長から返事がきた。
今日も残業だということ、外で会うよりも家の方がいいから来てほしいということ。

鍵は?家の位置は?

聞きたいことはたくさんあったけど、昼休みが終わってしまったため聞けなかった。

しかし定時後、珍しく由依が総務のフロアにやって来た。
渡されたのは鍵。
江崎課長が由依に渡すよう、頼んだらしい。

「課長は私と千夏が仲良いの知ってたんだね」と言い、別れ際には「偉い」と褒められてしまった。

また、家の位置は昼休みが終わる直前に来ていたメールのおかげでたどり着けたのだ。

あのメールがなかったら、確実に私は迷っていただろう。
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