君の名を呼んで
「……雪姫、俺だけなら良いけどな。あいつらの前でそんなエロい顔するなっての。
それとも、とことん最後まで綺麗に撮って貰うか?」
「ふぇ?」
ハッと後ろを振り返ったなら。
バッチリ撮影中のカメラマン。
いつの間にか照明まで良い感じに当てられて、音声さんがマイクを構えている。
そして皆の、好奇に満ちた、ニヤニヤ顔ーー。
「ギャー!!いっ、いやあああぁっ!!」
恥ずかしい!
恥ずかし過ぎる!!
「はいもうワンテイクどーぞ~」
カチンコを掲げて助監督がにんまり。
「しませんっ!!」
叫んだ私に、皇が耳元で囁いた。
「本番は、後でな」
「……っ!!」
その言葉に真っ赤になりながら、私は皇の手を引いて皆のもとへ戻って行く。
ふと、振り返って一番愛おしい人に、微笑みかけたら。
「皇、愛してる」
「知ってる。お前は一生、俺のものだからな。ーー雪姫」
皇は私を引き寄せて、またキスをした。
『俺の名前を呼ぶな』
そう言っていた頃の冷たい瞳のあなたはもう居なくて。
私の名前を呼ぶあなたは、今、傍で笑っている。
それが嬉しい。
あなたの名を呼んで。
愛を囁いて。
私はずっと、あなたのもの。
fin
それとも、とことん最後まで綺麗に撮って貰うか?」
「ふぇ?」
ハッと後ろを振り返ったなら。
バッチリ撮影中のカメラマン。
いつの間にか照明まで良い感じに当てられて、音声さんがマイクを構えている。
そして皆の、好奇に満ちた、ニヤニヤ顔ーー。
「ギャー!!いっ、いやあああぁっ!!」
恥ずかしい!
恥ずかし過ぎる!!
「はいもうワンテイクどーぞ~」
カチンコを掲げて助監督がにんまり。
「しませんっ!!」
叫んだ私に、皇が耳元で囁いた。
「本番は、後でな」
「……っ!!」
その言葉に真っ赤になりながら、私は皇の手を引いて皆のもとへ戻って行く。
ふと、振り返って一番愛おしい人に、微笑みかけたら。
「皇、愛してる」
「知ってる。お前は一生、俺のものだからな。ーー雪姫」
皇は私を引き寄せて、またキスをした。
『俺の名前を呼ぶな』
そう言っていた頃の冷たい瞳のあなたはもう居なくて。
私の名前を呼ぶあなたは、今、傍で笑っている。
それが嬉しい。
あなたの名を呼んで。
愛を囁いて。
私はずっと、あなたのもの。
fin