冷徹御曹司は政略妻の初めてを奪う




俺に対する感情が好意でなくてもいい、たとえそれが嫌悪だとしても。

俺に興味を持て。

少しずつ詰め寄り、俺の体温を感じることに幸せを覚えるように……。

その後の展開を密かに組み立てていた時、理美がその場に飛び込んできた。

その豊かな体で俺にしがみつき、あたかも俺に愛されていると瑠依に見せつけようとした女。

俺の腕を掴む力は相当なもので、簡単には振りほどけないほどだった。

理美の気持ちはわかっていたはずなのに、まさか強硬手段に出るとは予想していなかった自分に腹が立った。

俺と瑠依を引き離そうとするあいつの本気を感じ取るには十分なその力に、俺は再び計画を変更することに決めた。

俺が『瑠依』と呼び捨てにした時の瑠依の驚いた顔は見もので、写真にでも残しておきたいくらいだったな……。



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